さよならキッド
2006.12.08 Friday | category:-
こんばんは。
PC不調のため、しばらくネットから離れていました。
DCも試したもののネットにつなげず…。
(さらに言えば繁忙期に重なったのも大きい)
さて、私がネットに繋げなかった約1週間の間に、任天堂『Wii』の発売を
はじめとする、年末の新作ラッシュがあります。
昨年は現行機(PS2・DS)による盛り上がりをみせていたゲーム市場ですが、
今回は新世代機も加わり、さらに注目が集まった模様でした。
・・・ただ、WiiもPS3も品不足で当分は『集まった』どまりなのでしょうが。
(PS3に至っては失速の懸念も。『GT』『メタルギア』まで持つのか?)
そんななか、PSE法の逆風を撥ね退けDCの新作が発表されたそうですが、
そのネタを跳ね除けてしまったのは↓
●キッド:負債額約5億3000万円、自己破産申請へ(毎日新聞『まんたんウェブ』)
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2006/12/53000.html
………
……
…
ゲーム市場が賑わっているといわれてますが、それは一部のみのようですね。
SS⇒DCユーザーとしては『移植モノのギャルゲーに強い』という印象が強いメーカー
で※1、がっぷ獅子丸サンもキッドやNECインターチャネル(当時)を
『ハード末期にギャルゲーを大量投下するハゲタカ』(要約)※2
として挙げていたほどです。
SSでは末期までソフトを供給し、DCでも04年秋までは参入していたのですが、
それ以降はPS2メインになり、プライベートでは買わなくなりました。
それでも流通に携わるものとしてチェックを続けていましたが、
さほど逼迫した印象は受けていなかっただけに、今回の件はあらゆる方向で考えさせら
れる出来事でした。
その『あらゆる方向〜』について、特に気になった点を述べさせていただきます。
それは『ギャルゲー=ハードの末期』説。
過去のPCエンジン・SS・DCは、競合機との戦いで不利になると、
いわゆるサードパーティからの『美少女モノ』の投入(エロゲーからの移植)が相次ぎ
『ギャルゲーハード』と揶揄されて生涯を終えるパターンがみられました※3。
以前ならば『PS−SS』『初期DC−末期SS』『PS2−後期DC・末期PS』のような関係が
あり、うまい具合に成り立っていたのですが、据置機が実質PS2独占になった時点で
この関係が崩れ、ギャルゲがPS2になだれ込んできました。
PS2を販売するSCEの『ギャルゲーアレルギー』の鈍化※4・ユーザー層の広がり・
『恋愛モノ=オタク』のイメージ改善(女性ユーザーの増加もあるだろう)も、
その系統〜ギャルゲだけでなく『美少女(美少年)・恋愛モノ』への広がりを支えた
と云えます。
一方でPS・SS時代は前述の『キッドやインチャ』がメインでしたが、
PS末期やDCの時代になるとプリンセスソフトやアルケミストと云った新参者も現れ、
さらに従来からの家庭用メーカー、さらにはエロゲー(=原作)を出しているメーカー
(アクアプラス=リーフなど)も家庭用に参入してくるようになりました。
あわせて『メディアミックス』の流れで、雑誌社(角川書店・メディアワークスなど)も
オリジナルタイトルや原作モノのを導入し、前述の新参者のPS2参入でさらにタイトルは
増加し、ショップの棚とネットの枠をあふれさせる結果となっています※5。
毎日誌ではキッドの破産の理由として『携帯機との競合』を挙げられています。
しかし実際は『携帯機』でなく『娯楽』『同業者』との、とするのが正しいはずです。
携帯機と云えども、多数は前述のギャルゲーと同じ有様なのですから。
今回の一件は、多くの成人(生活習慣)病と同じく、自覚症状の無いなかで起きたこと
と痛感しました。
携帯機だ新型機だと浮かれている業界にいる私に対して、キッドの自己破産は肝に銘じる
出来事となりました。
●オチ
エレクトロ二クス・アーツ(EA)でなんとかしてくれないかなぁ※6
世界最大のメーカーであるEAも、『萌え』にはてんでダメなようですし。
■その後(2/8追加)
キッドのコンテンツ権利は、サイバーフロント社が得たとのことです。(2/2発表)
ただ、このようなケースは稀でしょう。
(コンテンツの力がなければ引き取るところもない)
ところで、キッド恒例のクリアファイル(購入者特典)は今後もつくのでしょうか。
※1:当時、ゲームから離れていた筆者がSSに戻ったのも、キッドがSSに移植した
『Piaキャロットへようこそ!!』がきっかけだったりする
※2:『ゲーム業界のフシギ』(太田出版)より。
※3:実際は異なるのだが、一般層からするとそういう印象らしい。
DCも末期はSHTモノばかりだったし、SSも『FFリベンジ』だったし。
ハナから『末期状態』だったとネタにされるPC-FXも、その芯の部分は…?
※4:PS時代はPC移植モノのギャルゲーのタイトルがPS版で変えられていたのは
有名な話。PS2『Kanon』のときに移植スタッフが「かえないで」とがんばったのが、
その流れを変えたとかないとか。
もっともSCEとしては『売れればOK』なのでしょうが。
※5:現場に立つ者として『売れるギャル(キャラ)ゲー』は非常に少ない、と付け加えて
おく。2本以上入荷すると大抵は不良在庫となるのがオチ(1本でもなること多数)。
売れたタイトルより売れない方を挙げるほうがラク。
さらに云えばDCの『アンダーディフィート』を売ったほうが遥かに売上がとれる
自信あり。
※6:キッドのPS2タイトルは、EAの流通扱いになっている。
ただし『スーパーライト(SL)2000』化タイトルはコナミ扱い。
(SL2000シリーズを扱うサクセスがコナミの流通を使っているため)
PC不調のため、しばらくネットから離れていました。
DCも試したもののネットにつなげず…。
(さらに言えば繁忙期に重なったのも大きい)
さて、私がネットに繋げなかった約1週間の間に、任天堂『Wii』の発売を
はじめとする、年末の新作ラッシュがあります。
昨年は現行機(PS2・DS)による盛り上がりをみせていたゲーム市場ですが、
今回は新世代機も加わり、さらに注目が集まった模様でした。
・・・ただ、WiiもPS3も品不足で当分は『集まった』どまりなのでしょうが。
(PS3に至っては失速の懸念も。『GT』『メタルギア』まで持つのか?)
そんななか、PSE法の逆風を撥ね退けDCの新作が発表されたそうですが、
そのネタを跳ね除けてしまったのは↓
●キッド:負債額約5億3000万円、自己破産申請へ(毎日新聞『まんたんウェブ』)
http://mantanweb.mainichi.co.jp/web/2006/12/53000.html
………
……
…
ゲーム市場が賑わっているといわれてますが、それは一部のみのようですね。
SS⇒DCユーザーとしては『移植モノのギャルゲーに強い』という印象が強いメーカー
で※1、がっぷ獅子丸サンもキッドやNECインターチャネル(当時)を
『ハード末期にギャルゲーを大量投下するハゲタカ』(要約)※2
として挙げていたほどです。
SSでは末期までソフトを供給し、DCでも04年秋までは参入していたのですが、
それ以降はPS2メインになり、プライベートでは買わなくなりました。
それでも流通に携わるものとしてチェックを続けていましたが、
さほど逼迫した印象は受けていなかっただけに、今回の件はあらゆる方向で考えさせら
れる出来事でした。
その『あらゆる方向〜』について、特に気になった点を述べさせていただきます。
それは『ギャルゲー=ハードの末期』説。
過去のPCエンジン・SS・DCは、競合機との戦いで不利になると、
いわゆるサードパーティからの『美少女モノ』の投入(エロゲーからの移植)が相次ぎ
『ギャルゲーハード』と揶揄されて生涯を終えるパターンがみられました※3。
以前ならば『PS−SS』『初期DC−末期SS』『PS2−後期DC・末期PS』のような関係が
あり、うまい具合に成り立っていたのですが、据置機が実質PS2独占になった時点で
この関係が崩れ、ギャルゲがPS2になだれ込んできました。
PS2を販売するSCEの『ギャルゲーアレルギー』の鈍化※4・ユーザー層の広がり・
『恋愛モノ=オタク』のイメージ改善(女性ユーザーの増加もあるだろう)も、
その系統〜ギャルゲだけでなく『美少女(美少年)・恋愛モノ』への広がりを支えた
と云えます。
一方でPS・SS時代は前述の『キッドやインチャ』がメインでしたが、
PS末期やDCの時代になるとプリンセスソフトやアルケミストと云った新参者も現れ、
さらに従来からの家庭用メーカー、さらにはエロゲー(=原作)を出しているメーカー
(アクアプラス=リーフなど)も家庭用に参入してくるようになりました。
あわせて『メディアミックス』の流れで、雑誌社(角川書店・メディアワークスなど)も
オリジナルタイトルや原作モノのを導入し、前述の新参者のPS2参入でさらにタイトルは
増加し、ショップの棚とネットの枠をあふれさせる結果となっています※5。
毎日誌ではキッドの破産の理由として『携帯機との競合』を挙げられています。
しかし実際は『携帯機』でなく『娯楽』『同業者』との、とするのが正しいはずです。
携帯機と云えども、多数は前述のギャルゲーと同じ有様なのですから。
今回の一件は、多くの成人(生活習慣)病と同じく、自覚症状の無いなかで起きたこと
と痛感しました。
携帯機だ新型機だと浮かれている業界にいる私に対して、キッドの自己破産は肝に銘じる
出来事となりました。
●オチ
エレクトロ二クス・アーツ(EA)でなんとかしてくれないかなぁ※6
世界最大のメーカーであるEAも、『萌え』にはてんでダメなようですし。
■その後(2/8追加)
キッドのコンテンツ権利は、サイバーフロント社が得たとのことです。(2/2発表)
ただ、このようなケースは稀でしょう。
(コンテンツの力がなければ引き取るところもない)
ところで、キッド恒例のクリアファイル(購入者特典)は今後もつくのでしょうか。
※1:当時、ゲームから離れていた筆者がSSに戻ったのも、キッドがSSに移植した
『Piaキャロットへようこそ!!』がきっかけだったりする
※2:『ゲーム業界のフシギ』(太田出版)より。
※3:実際は異なるのだが、一般層からするとそういう印象らしい。
DCも末期はSHTモノばかりだったし、SSも『FFリベンジ』だったし。
ハナから『末期状態』だったとネタにされるPC-FXも、その芯の部分は…?
※4:PS時代はPC移植モノのギャルゲーのタイトルがPS版で変えられていたのは
有名な話。PS2『Kanon』のときに移植スタッフが「かえないで」とがんばったのが、
その流れを変えたとかないとか。
もっともSCEとしては『売れればOK』なのでしょうが。
※5:現場に立つ者として『売れるギャル(キャラ)ゲー』は非常に少ない、と付け加えて
おく。2本以上入荷すると大抵は不良在庫となるのがオチ(1本でもなること多数)。
売れたタイトルより売れない方を挙げるほうがラク。
さらに云えばDCの『アンダーディフィート』を売ったほうが遥かに売上がとれる
自信あり。
※6:キッドのPS2タイトルは、EAの流通扱いになっている。
ただし『スーパーライト(SL)2000』化タイトルはコナミ扱い。
(SL2000シリーズを扱うサクセスがコナミの流通を使っているため)
Comment
旧KIDは、GBのポケットラブシリーズと、PSのテナントウォーズやゲームで青春を遊びましたが、正直99年のメモリーズオフを境に敬遠する様になりました。と言うのも、ノベルやアドベンチャーの美少女ゲームばかりでつまらなくなり、私自身、美少女ゲームを敬遠する様になった原因は、1・葉鍵作品以降安易なアドベンチャーやノベルが氾濫した事、2・センチシリーズやメモオフ2nd以降作り手の都合で幾らでも作品世界がどうにでもなる事、3・KONAMIのときメモ2やあいたくて…の様に時間が掛かった割りに望む程の作品が出来るわけではない事で、話を旧キッドに戻せば、ポケラブも2の異常な難易度には泣かされ、メモオフ以降美少女ゲームに特化した事が自己破産の一因だと思いました。最後に自己破産の為、06年コミュケの出展を諦めた所、運営者側の好意でキッドの出展が実現した事と、他者がキッドのコードを継承した事が、如何にキッドがユーザーから支持されていたかを物語り、独善的な某大手メーカーとは対照的でした。
Posted by: 無限堂 |at: 2010/03/14 1:58 PM
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